「ねえ」 5月のある日の放課後、私は聖太くんに声をかけた。 「茉奈ちゃん。どうしたの?」 「話があるんだけど、いいかな?」 「全然! いいよ」 「ここではちょっと話しにくいことなんだ。人気のない場所で話がしたいんだけど、」 「いいよ。じゃあ、屋上に移動しよう」 「うん。そこが一番いい」