その夜。 部屋で苦手な数学の勉強と戦っていると、突然、スマホが鳴った。 『山崎聖太』 聖太くんからだった。 「もしもし?」 〈もしもし。茉奈ちゃん、今いける? 話したいことがあるんだ〉 時計を見ると、時計の針は九時を指している。 「いいけど」 〈こんな夜に呼び出してごめんね〉 「大丈夫だよ」