「だがそれだけだ」

ウラヌスは向き直る。

1年前のウラヌスならばいざ知らず、1億では足元にも及ばない。

「生き残っていられる時間が、3秒から3分に増えただけ。死ぬ事には変わらん。失せろ」

「じゃあ」

少年は腰を低く落とした。

「3分持ち堪えたら、まともに戦ってくれるか?」

「……」

能力値1億もあれば、どうしても実力を過信してしまいやすい。

分からせてやろう。

上には上がいるという事を。

「はぁっっっっっっっ!」

ウラヌスは更に能力値を開放する。

5億!

その力で少年の顔面に、拳を叩き込むも。

「っ!?」

よろめきもせず、後退りもせず。

彼はウラヌスの拳を食らったまま、ニッと笑った。