久しぶりの学校はやっぱり変わらなくて、私の心を懐かしませた。
教室に入るとみんながこちらを向き、
「おかえり!」
と言ってくれた。
少し照れたけどやっぱり嬉しかった。
机に座ると美歌が笑顔でおめでとうと祝ってくれた。
美歌「さちが事故した後、もう1度交通安全について学ぼうってなって、交通安全教室が開かれたの。さちもまだまだ気をつけてね。」
幸「うん。ありがと、もう大丈夫だから」
美歌「てか、あれどうなったの」
実は親友の美歌にだけ話していた私の恋愛事情。
幸「それがね…。かいと君と今日帰る約束したんだー!」
美歌「え!ちょっとそれほんとー?すごいじゃん!」
幸「うふふー」
こうしていつも通りの会話をしながら学校が終わる。
幸「急がなきゃ、、かいと君いっつも早いからなー」
美歌「じゃーね、健闘を祈る!」
幸「うん、ありがとー!」
私は走りながら手を振ってその場を去る。
時々、廊下から見える教室の時計をみて走るスピードをあげる。
靴箱の前でスピードを落とし、近くにあるトイレに入る。
そして鏡を見て容姿を整えた後、にっこり笑顔を作ると靴箱に向かう。
幸「かいとくーん!おまたせ」
海翔「今日は早いな」
幸「そ、そうかな?」
海翔「んじゃ、行くか」
外に出ると、さっきは無かった雪がちらついていた。
海翔「寒くないか?」
幸「ぜーんぜん!かいと君こそ、年中薄着じゃん。寒くないの?」
海翔「俺は別に代謝がいいからな。あちーんだよ」
幸「ふぅーん」
あれ?この会話は以前にした事があるような…?
気のせいかな…。
事故をして、頭がまだこんがらがっているのだろう。
そんなことを思っているといつの間にか家の近くに来ていた。
幸「じゃーね、おやすみ」
海翔「おう。暖かくして寝ろよ」
幸「わかってるー」
家に帰るといい匂いがしてきた。
どうやら、今日はカレーのようだ。
退院して、おつカレーってか。。。
はい、ごめんなさい。
夕飯を食べ終え、お風呂に入る。
幸((そういえば、今日のかいと君との会話前にしたことがあるような気がしたなぁ…))
幸の母「今日はやけに長風呂ね。考え事?」
ドアを挟んでお母さんが話しかけてくる。
幸「まーねー、色々あってさー、」
幸の母「悩み事なら一人で悩んでないで何かあったら相談しなさいよ?」
幸「わかってるよー。わかってる」
幸の母「あ、ねぇちょっと聞いて、お母さんね夢見たんだけどねその夢が面白かったのよ」
幸「夢ー?どんなゆ…め…」
ハッとした。
幸「そうだよ、夢だよ…!」
そういえば、入院中に見た夢と今日の出来事が全く同じだった。
偶然にしても当たりすぎている。
細かいところまで。
これが正夢というやつなのだろうか。
お母さんの夢の話は聞いてもおらず、さっさと風呂を出た。
――――今日は冬なのに快晴で日差しが少し暖かかった。
美歌「おはよー、今日は長袖あついねー」
幸「そうだね。冬なのに」
美歌「たたでさえ坂本先生が熱いってのに」
幸「ほんとだよねー」
私たちのクラスの担任の、坂本夏先生は名前の通り、夏のように熱い先生だ。熱血教師というのだろう。
坂本先生「おはよーう!みんな昨日はちゃんと寝た?因みに先生は9時に寝ました」
いつも朝は坂本先生のどうでもいい話から始まる。
でも、なぜか毎回気になって耳を傾けてしまう。
この後は普通に朝の会があって、それから授業が始まるのだが、今日は少し違った。