キキーーーッ!
鈍い、ドンという音があたりに響き渡る。
誰かが私を呼んでいる。だが、私には起き上がる気力は残っていない。
暗くなっていく。何も見えない。


?「…ち…さち!あぁ、誰か…この子を助けて…」
目を開ける。
幸「おか…あさん、?」
幸の母「さち!良かった!良かったわ…お医者さんを呼んでくるわね…!」
何がどうなっているのか私にはさっぱりわからない。
お母さんを呼び止めようとしたが、体が思うように動かず痛む。

周りを見渡すと点滴が見え、口にはプラスチックのマスクのようなものがかぶされている。
ここは病院なの…?
私は、どうしてここにいるの?
たくさんの疑問が浮かんでくる。
考えれば考えるほど頭痛がしてくる。

ガララッ…
幸の母「先生!さちがっ、目が覚めたんです!」
先生「なんですと!?あれだけの衝撃で命を取り留めるとは…。」
幸「おかあさん…、ここは病院なの?何でここに私がいるの…?」
幸の母「覚えていないの…?貴方は交通事故にあって、もう1週間も眠っていたの。」
幸「そんなに…」
先生「どうやら、事故の衝撃で当時の記憶が飛んでしまっているようですな。」