「はい。あなたは、僕と一緒にいると安心出来ると言ってくれました。勿論、僕にとって何より嬉しい言葉です。でも、僕はあなたと居て安心などとても出来ない。」
私は意味が分からず彼を見た。


「いつもドキドキしていて、あなたを見て、嬉しくなったり、辛くなったり振り回されてばかりです。あなたを思うと苦しくて、でも、あなたの笑顔を見れば胸が高鳴って全身にパワーが湧きます。恥ずかしいけど……」
　彼は少し間を置いて言った。


「僕はあなたに恋をしました……」

「……」
　私はあまりにも、ストレートな彼の言葉に声が出なかった。


「でも、勘違いしないで下さい。僕はあなたに恋して欲しいなんて、そんな烏滸がましい事を思っている訳ではありません……　ただ、そばに居て、いつか、あなたが僕を頼ってくれる時がくればいいって、そう思っていたんです。頼られる男になりたいって……　でも、もうあなたの側には居る時間が無くなってしまったようですね……　行って下さい。オーストラリアへ！　あなたは行くべきです」

　彼はコーヒーをゆっくり飲んだ。


　私は、彼の言葉に自分がどれほど彼に甘えてきたのかを知った。


　彼は、私の全てを受けれてくれた上で、答えをくれたのだ。


　私も正直な気持ちを言う事が、私を想ってくれた人への礼儀だと思った。


　例えずるいと思われても……