大分酔いも回って来て話も盛り上がっていた。


「雨宮さんは、どんな男性がタイプなんですか？」
　美也さんに聞かれた。


「そうだなぁ。顔が良いに越した事は無いけど、やっぱり、自分をちゃんと見て好きだと思ってくれる人かな？　私、あんまりちゃんとした人じゃないんですよ。　でも、男の人って、自分の理想と違うと嫌がって、すぐ自分の理想に当てはめようとするじゃないですか？　それが窮屈なんですよね。結局、思った子と違うって振られちゃうんですよね……」


「あ―。それ、分かるなあ。例えばどんな所が理想と違う、って言われるの？」
　美也さんが同意してくれて嬉しかった。


「う～ん。そうそう、前に付き合っていた彼と、新年の初売りの福袋を買いに行った事があるんですよ。私どうしても欲しいブランドの店があって、朝早くから並んで、デパートのオープンと同時に目的の店にダッシュして、人混みの中かき分けて限定の福袋をゲットしたんです。嬉しくて、彼の元にもどったら、『スゲーパワー』って嫌そうな白い目で見られたんですよね」
　私は思い出して不満げに話してしまった。


　しかし、「ぷっ」と三人は吹きだした。



「やっぱり、ダメですか？」
　私はがっかりして思わず頬を膨らませてしまった。


「違う、違う！　僕も見て見たかったな、って思っただけ……　想像しちゃいましたよ……　でも、理想と違うとか、がっかりした訳ではないですよ」
　以外にも彼がフォローしてくれて、ちょっと嬉しかった。


「でも、その元彼は会う人皆に、スゲーパワーとか馬鹿にして言うんですよ。それからかな？　私が張り切ったり、活発に行動したりするのが嫌みたいで、俺の許可なく色々するなって言われて、このままじゃ自分が成長出来ないし、自分が自分で無くなる気がして別れましたけど……」
　私はため息が漏れてしまった。


「それは別れて正解よ！　結局その人は、雨宮さんが自分より目立つのが嫌だったり、雨宮さんを自分の手の中に入れておきたかったり、独占欲が強かったんじゃない？　それじゃあ、雨宮さんの良い所を解ってない、って事だと思うけどな？」

　美也さんが力を込めって言ってくれた。美也さん本当にいい人だと思った。


「僕もそう思いますよ」彼も必至で言ってくれた。

　いい人だ……