居酒屋の案内された席に行くと、もうすでに皆さん揃っていて笑顔で迎えたくれた。

 私が席に着くと早速美也さんがメニューを広げた。


「何注文します?」


「えっと、トマトサラダとチーズ揚げもいいな……」
  私はメニューを見ながら真剣に選んでしまった。


 注文した皿が次々と運ばれて来た。

 生ビールで乾杯!


「雨宮さん、お土産ありがとうございます。グアムどうでした?」
 神谷さんがグアムの話題を出してくれた。
 飲み会に場馴れしているというか、人への気遣いが出来る人だとよく解る。


「ありがとうございます」
 彼も神谷さんに続くようにお礼を言ってくれた。


「あんな物で恥ずかしいです。本当はTシャツにしようと思ったんですけど、会社の封筒に入らないと思って…… 小さい物しか買えなかったんです」
 私は首を竦めた。


「通帳の間に、厚い封筒が入っていたから、現金かと思って褪せちゃった」
 
 美也の言葉に、私は「ごめん」と両手を合わせると笑ってしまった。


「海先輩も、ハンカチ一枚しか持ってなかったから、良かったですね」
 神谷が冗談を言った。


「おい! そんな訳ないだろう!」
  彼が顔を赤くして怒る姿に、ついもう一言出てしまった。


「それなら、二枚になって良かったですね」
  私の言葉に動揺した姿の彼が面白くてつい笑い出してしまった。


 失礼な事を言ってしまったかと思い、彼の顔を見て私は聞きたかった事を思い出した。


「そうそう、海原さん、英語でお仕事されるんですね?」


「それ程じゃ…… アメリカに留学していたもので……」


「え―。凄い。私も今、英会話教室探しているんですけど。どこかご存知ないですか?」
 私は真剣に英会話を習いたいと思っていたので、つい聞いてしまった。


「それなら、先輩が教えますよ。マンツーマンで上達出来ますから!」
 神野さんが思ってもいなかった事を提案してくれた。


「本当ですか? 是非お願いします」
 私は言ってしまってから、ちょっと図々しいかと思ったが、


「僕で良ければ……」
 彼は快く引き受けてくれた。


 彼の英語力は私も凄いと思っていたから、彼に教われるなんて願ってもない事だった。


 私はすぐ彼と連絡先を交換した。