『……嫌だ。待って!!』




私は彼に向かって一生懸命叫んだ。





それに気づいた廣川君は足を止める。





『待ってよ……私………まだ廣川君に気持ち伝えられてないよ………っ………』




目に溜まっていた涙がじわじわ頬を伝って流れてくる。





「私は……っ廣川君が好きだよ!確かに勝手にキスしたこと、電話のこととか色々モヤモヤしたし嫌だし………最初は廣川君のこと嫌いだったし!」




そう、私ははじめは君が嫌いだったよ。




でもいつからだろう…………





『でも………優しい廣川君か…………好きなんだよっ………だから………せめて私が嫌いでも片思いでいさせてほし………っ!』




私が最後の言葉を言おうとした瞬間気づけば私は廣川君の腕の中にいた。

「……お前ほんとバカ!」




『へっ……?』




いきなりバカと言われ呆然とする私。





「全部俺が言いたかったこと話しやがって。」




「俺だって…………去年からずっと…………お前が好きだったんだよ!いい加減気づけよ………っ」




腕が強くなると同時にシトラスの香りがギュッと強くなっていく。





『ええええ!?!?!?』





私は廣川君の言葉にびっくりした。





「確かに最初は興味半分でお前をからかってたよ。でも…お前の楽しそうな顔とか…一生懸命な顔とか……全部可愛いんだよ………!」




『………っ///』





「お前に妬いてほしくて色んな女と付き合ったけど振り向かねえし、疎いし。イライラするし。でも1度も嫌いになることは無かったよ。」





『え、じゃああの絢芽って人は………?』




1番聞きたかったことを聞いてみる。




「………それは………姉貴だよ。」





『ええええ!?!?』




「だから言ったろ、勘違いしすぎだって。」




わ、私……お姉さんに妬いてたってこと!?!?





「電話がうんぬんてさっき言ってたけど、お前姉貴に妬いてたのか?」





廣川君はいつもの調子で悪戯な笑みを浮かべてこっちをみる。

『……わ、悪いですか?///』




「いーや?むしろすげー嬉しいけど?」




『……ほんと調子いいやつ!』




「妬いたのはそっちのくせに。」




『「ふっ」』





あぁ、いつも通りの会話だ。





「んで、返事は?」




『なっ私から告ったくせになんで2度もっ……!』





「言わねぇとお仕置きしなきゃね〜?」




……ほんとこの人私が好きになった人?
けど、やっぱり君は優しい。





『………私も……す、………好き……です///』





「ふっ……俺も好きだよ。」





なんだかんだで両想いだったんだ……私達。





「……キスしていい?」




『へっ…唐突に言わないでよ!//』





「何も言わないなら良いんでしょ?ん?」





『言わなくてもしないで!!恥ずかしいじゃん//』




「えーこれでやっと両想いなのに?やらないと可笑しいでしょ。じゃあーすずはからやって。」




『はぁあ!?なんで私?!しかもいきなり名前で呼ぶなぁ!』




「えーダメなの?」




犬みたいにウルウルして見つめる廣川君。

『うっ……』




もうっあの目は反則なんだから!




ほんと私って廣川君に弱いなって思う。これって溺愛でやつ?




『じゃあ目、瞑って?』




「ん。」



……っ……//



全て完璧に整った顔つきを目の当たりにした私は心臓が鳴り止まないまま、つま先を伸ばして彼の頬にそっとキスした。




「なぁ。俺頬じゃなくてここにしてほしいんだけど?」




といい彼は私の指で自分の唇を当てる。




『……っ煩いな!ほんとっ………』




「やっぱ待てねぇや。」




『えっ……ちょっと!!』



………グイッ。




私の腕が廣川君の方に引かれ




廣川君との距離が一気に縮まり唇が重なった。

『んっ………』




強引だけど前とは違う長いキス。




離しては何度も角度を変えてキスしてくる。




『ぷはっ……』




私は勝手に廣川君を剥がした。





乱れた荒い呼吸を整えていると……
廣川君は不満げな表情で私を次の言葉で動揺させる。






「なに勝手に離してんの。どんだけ苦労してすずはの彼女になったと思ってんの。離したって俺が片思いしてた分だけキスするし。」



なんて強引なことを言ってくるなと思えば…
また引き寄せて……



『えっ……んんっ』




ほら。気づけば再びキスされてる。





びっくりした反動で少し開けてた隙間から生暖かいものが入り私のと絡めてくる。



てかこれ………て舌…だよね…!?!?
なんて考えてる隙なんてなくて………苦しいのに…甘い…




大人のキスに私の顔はさっき以上にみるみる赤く染まっていき自然と涙が出てくる。





そして何故か廣川君は慌てた様子で私を離した。





「……っダメだ。もうこれ以上したら理性が…」





『え……?理性……?//』


まって……バカには理性て言葉なんて分かんないよ……!



キョトンとしてると彼は自分の頭をワシャワシャ掻きながら



「あーもうダメだ!お前には疎すぎてこれ以上無理//」



なんて言って叫んだ。




『……//』



「今またお前とキスしたら絶対めちゃくちゃになっちまう。…から…やっぱりお前を大切にしたい。この先は暫くお預け。出来ても今のキスまで。いいな?」




『う、うん…!//』




……結構恋って甘くてヤバイみたいです。




ゲームの延長戦。いや…





この続きはきっとまだ先の話。




END

※Start before..



~Profile~


廣田正樹…誕生日:2月14日 血液型:A型 サッカー部

→意地悪で不器用な性格の持ち主。
でも優しくて頼りになるムードメーカー。
涼と幼馴染みで学年一かっこいいで有名。
去年すずはとれいなと花と同クラ(1年8組)

趣味:映画鑑賞 得意教科:理科

成績:学年の真ん中 運動神経:抜群


廣田優杏(ゆあ)…誕生日:11月11日 血液型:O型 サッカー部女子マネ

→しっかり者で正樹のよき理解者。
美人で誰もが振り返るような憧れの存在。
厳しい面優しさもある思いやりのある姉。
学年1可愛い女子と有名。ただしバカな面がある。
涼の姉と仲がいい。現:高校3年生

趣味:料理 得意科目:音楽

成績:悪い 運動神経:良い

間宮すずは…誕生日:9月9日 血液型:O型 帰宅部

→ポジティブで元気な性格。
恋愛に疎く奥手な一面もある。
学年一かわいいで有名。れいなと幼馴染み。

趣味:ダンス(クラブ所属月2活動) 得意教科:国語

成績:学年トップ10の常連 運動神経:抜群


杉崎花…誕生日:4月1日 血液型:B型 軽音部

→不思議ちゃんと言われているオタク気質の持ち主。
友達想いで恋愛情報には兎に角詳しい。
眼鏡を外せば美人のドラマー。

趣味:少女漫画を読むこと 得意教科:社会

成績:下から数えた方が早い 運動神経:悪い


浅山桃花…誕生日:10月31日 血液型:AB型 製菓部

→大人っぽくて謎めいたミステリアスな性格。
男たらしでプライドが高くて有名な彼女だが、正樹には初めて純粋に好きになれた相手でもある。

趣味:お菓子作り 得意教科:家庭科

成績:学年3位をキープ。 運動神経:普通

〜正樹side〜




俺、廣川正樹高校2年生は今…最高に幸せ。





なんでって?



決まってんじゃん。好きな女と付き合ってるから♪




その女こと間宮すずはと今一緒に帰っている。




すずはは去年同クラで偶然席が隣になったのをきっかけに話すようになった仲。




去年は黒くて長いストレートな髪が似合う奴だったけど、進級のイメチェンが理由?でバッサリ肩くらいまで切ったらしい。




イメチェンしなくとも元からコイツはかなりモテる。
男子からお誘いとか告白も少なくなかったからライバルは多かった。




けど恋愛に疎いせいか断りも多々あった。




勿論俺もモテる…らしい。告白も1年間に数10回は当たり前だったかな?うん。学年一モテるて噂もあった。
これは杉崎花というすずはと仲良い女情報。




まぁこれを言ったら幼馴染の及川涼というイケメン君に怒られそうだけどな。コイツも学年一人気者なんだとか。またまた杉崎花情報。



両想いになり付き合い始めてから早1週間。
俺らが付き合うことになった次の日には既に噂が学園中に拡散されてた。



けど俺の彼女がすずはだと知ったからか納得する奴も多く今のところは平和だ。俺が1年間ずっと片思いしてたのを知ってっからな。皆。



なんて今までの出来事を思い出してたら……



あの元気でバカでかい声が俺の耳に痛いほど隣から聞こえてきた。




「……君!廣川君てば!聞いてる!?」




『……あ!…おう』




我に返った俺は慌ててすずはの方を向く。




「全くもう。これだから廣川君は。」




ヤバイ。すずははかなり呆れてる様子だ。




『えっと…今何の話だっけ?』




「しょうがないなぁ。さっきデートの話してたでしょ!廣川君が連れてってやるって言ってくれてたじゃん」




そういって頬を膨らませて怒るすずは。




あ、そう。そうだった。




実は今度の休日部活が珍しくないからすずはと2人でデートする予定が入ったんだ。




デートも勿論だが、今は6月。あと数週間後したらすぐにテストが始まる。だから勉強会も兼ねてデートするという約束を今していたんだ。

『んー勉強会もやるんだから午前はデート、午後に地区センでいいんじゃね?』




そう提案すると、すずはは納得した表情で




「うん!確かにその方がいいよね!そーしよ」




『じゃあ地区セン空いてるか確認するわ。』



念のためを思いHPで確認すると………あ……




『悪ぃ、今月は休日1日中全部休みだったわ。改装工事かなんかで。』




「え!嘘〜〜!!!」




すずははショックのせいかズンと肩を落とした。




あ…。そう思っていたらある一つの案がひらめいた。




『なぁ、すずは。デートのあとさ、俺んち来る?』




……は。ヤベエ、まだ俺付き合って1週間しか経ってねぇのに家は早すぎるか?一応俺も健全な高校生なわけだし。


そういった思考が頭中グルグル広がっていく。




……けどコイツは何も分かってない様子で次の瞬間、俺に笑顔で爆弾を投下する。




「廣川君家行っていいの!?行きたい!」



行きたい……行きたい………行きたい…………




何度もその言葉が頭の中で再生される。




『お、おう。』




これは……理性との戦いと判断した俺は不安を抱えながらもデートの約束を取り付けた。

時は意外とあっという間に過ぎついに当日。




『んじゃ姉貴〜行ってくるわ。』




「彼女困らさちゃだめよ?」




『分かってる。』



俺はそう姉に言い残して会う場所へと歩き出した。




先ほども言ったけど俺はすずはが凄い大切。
アイツは今までの彼女とは違う。俺が心から好きだと思える相手だから。




今日は午前中に映画観たあとにプリクラ?を撮って勉強会をすることになっている。




映画はすずはがめっちゃ観たがってた映画なのだが、内容は謎のまま。




気合を入れようと服装や髪などもきちんと揃えた。




白いロゴ付きのTシャツに赤黒チェックのズボン、そして黒のスリッポン。




6月中旬ということでやや暑い気温の中羽織るのは面倒臭いと感じた俺は上着としていつも愛用するデニムシャツを腰に巻いた。




そんなこんなで俺は約束の9時よりも10分前にずずはと会う場所に到着した。