(有里side)

点滴に繋がれる毎日。腕が針の跡で痣だらけになっていた。
壁も、天井も床もカーテンもベッドも真っ白な病室。
特にすることも無いので眠ろうとしたその時。
突然病室のドアが開き何事かと思いドアの方に目をやると、見慣れた彼が息を切らして立っていた。

「…爽真……」
「なんで教えてくれなかったの」
「……ごめ」
「謝んないでよ」
「………」

返す言葉が見つからない…。

「全部聞いたよ」
「……そうなんだ…」
「気づいてあげられなくてごめん…」
「私の方こそごめん…
辛くて言い出せなかったんだ…」
「そうだよね、辛いよね…」

そういうと彼は優しく私を抱きしめてくれた。
その行動に自然と涙が溢れた。

「爽真…爽真…っ」
「大丈夫、ずっと側にいるから…」

私はその後も泣き続けた。