見上げればあの空浮かぶ雲
手を伸ばしても届かない
駆け足で跳ねても追いつけない
そんな遠いあの日の記憶
閉まっていた思い出が扉をノックして
「早くきかせて」
「歌わないよ」
「キミはいつも」
「ひとりでいい」
こだまする掛け合いにまた胸が痛む
傷つくなら 逃げたいなら もうこのままで構わない
光と影 夢と涙 手を取ることを拒んで
永遠なんて誓えないよ 時間は過ぎゆくばかり
ねえ、キミはどうして?
本音はどこにあるの
屋上の出会いは必然で
キミは私の心を乱す
隠した心はまだ言えないよ
そんな淡いあの日の涙
季節が過ぎる度キミは隣にいて
「大丈夫だ」
「歌えないよ」
「前向いて」
「きこえない」
押し殺した心 本音は違うでしょう
ありがとうと言えないのに笑顔が微かに光る
胸の歪 吹いた風に 私の音をのせて
止まらなくて 拭えなくて 重くのしかかるばかり
ねえ、キミはどうして?
また闇に消えてゆく
もしも落ちた先に
私がひとりだけでも
変わらないよこの気持ちだけは
そう、気づいたんだ
「歌いたいよ」
「泣いていいよ」
傷つくなら 逃げたいなら もうこのままで構わない
光と影 夢と涙 手を取ることを拒んで
キミに届け 空に響け 私の心歌え
ねえ、キミはどうして?
誰よりも大切だ
キミの音が聴きたくて
みなさん、こんにちは!
ちこ♪です。
『キミの音を聴きたくて』
6作品目に完結しました!
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(*´▽`人)
初めて青春・友情ジャンルに挑戦してみたのですが……いかがでしたか?
陽葵と奏汰の恋は、一応ハッピーエンドのつもりで書きました。
最後の歌詞の意味も、全てを読んだ後ならあっと思うシーンがあると思います。
ちなみに作者としては、ふたりの過去に出てきた澄恋を書くときが1番楽しかったです(笑)
あまり長い作品にしようとは思っていなかったのですが、気づけば200ページを超えていましたね。
ふたりの姿が、少しでも心に何か残せていれば何よりです。
陽葵のクラスメートの話はあまり書けなかったので、また別の作品で登場させようと考えています!
どんどん完結させていこうと思うので、よろしくお願いします♪
みなさんにとって、今日がかけがえのない日でありますように。
ちこ♪
高校に入学した音中陽葵は、生徒会長の天音奏汰に出会う。
屋上で音楽の授業をサボっているときに偶然居合わせたふたりは、なぜか音楽を嫌っていた。
そんな中、陽葵はクラスメートに心を開き始める。
丸山日々、錦戸昇達に出会い、楽しい毎日を送っていくはずだった。
文化祭ではバンドを結成してライブをする予定だった陽葵のクラス。
しかし、ボーカルの相川舞優が出られず大ピンチに。
そこで陽葵が歌うことになる─────。
けれど、陽葵にはどうしても歌いたくない理由があった。
それが、自分が歌ったせいで姉の命を亡くしてしまったこと、だった。
そして、姉の音中澄恋が奏汰と付き合っていたことを知った陽葵は、彼が歌わないのも自分のせいだと悲観的になる。
そんな陽葵を変えていくのが、友達や家族、そして奏汰だった。
距離が縮まっていくうちに、陽葵は奏汰に好意を抱くようになる。
しかし、それは姉の彼氏で……許されない恋だった。
それでも奏汰には幸せになってほしい。
その気持ちで動く陽葵に、やがて奏汰の心境も変化していき……?
陽葵と奏汰の過去と向かい合い、前を向いて歩いていく音楽を交えた青春ストーリーです。