「えっと……そうでしたっけ?」
「覚えていないのかよ……。
まあ、その笑顔が澄恋に似ていたんだ」
笑顔が似ている、だなんて生まれて初めて言われた。
小さい頃から私達は仲が良かった。
けれど、性格はあまり似ていない。
お姉ちゃんはかわいくてスタイルも良くて明るかった。
何もかも揃っているから、もちろん評判も良かった。
それに対して私の取り柄は勉強と歌だけ。
かわいげもない性格から、お姉ちゃんと比べられて無愛想だと言われたりもした。
その度に、少しお姉ちゃんを羨ましくも妬ましく思っていた。
口に出したことはなかったけれど、いつからかお姉ちゃんの先を歩きたいと目論んでいた。