「私が、いなくなれば……良かったんだ……。
ど、して……お姉ちゃんなの……?
もう……もう、生きたくないっ……!」
「……陽葵!」
突然、体がぬくもりに包まれる。
私の名前を呼ぶ声が聞こえて。
懐かしいメロディーがよみがえる。
『陽葵』って優しく手招きする姿は、今だって覚えている。
────あぁ、お姉ちゃん。
会いたい、会いたいよ。
「そんなこと言うな……。
お前の命は、他の何にも代えられないんだ」
そう、だ。
天音先輩は、人を失う苦しみを知っている。
それなのに、私は……また悲しませるようなことを言ってしまった。