…愛梨Side




『俺だってそうだよ』

樹のその言葉には“好き”って意味が込められているんだ、…って。



『何で俺が言わなきゃいけないの?』

いつもの樹のペースに戻って、主導権が握られる。



やっぱり樹はこうでなきゃ、







そして樹は何度も何度もあたしに唇を重ねて、その度に角度を変えて、




「…んっ……っ、」


苦しい…



呼吸の出来ない苦しさに陥ったあたしは、樹の胸を小刻みに両手で叩く。


「…あー、悪ぃ」

あたしから少しだけ離れると、樹は笑いながらベッドに寝っ転がった。




もしかして樹って…、

結構、変態なんじゃないのっ?


なんて、経験の無いあたしは頭の中で考えてみる。




すると樹はゆっくりとあたしの方へ手を伸ばして髪を優しく撫でるように触った。



そんなことだけであたしの胸はドキドキする。

こんなんじゃ心臓がいくつあっても足りないよぉ…



「…い、樹…っ?」


「なに?」


平然とした顔で樹はあたしを下から上目遣いで見上げる。



う゛…、

そんな姿に思わずもっと紅潮するあたしの頬。