「いってきます。」
もうだいぶ暖かくなった風に背中を押されながら、
新しい通学路を歩く。
哀歌は今年から高校生。
いわゆる、華のJKってやつ。
現実はそうとは限らないのだが......
しばらく行ったその先の桜の並木道を歩く。
桜はもうあらかた散ってしまったようだった。
(いつも、待ってくれないわよね。)
哀歌の住む地域では、毎年、3月の終わりには開花する。
2、3日前は満開であったようだ。
しかし今は、それを物語る花びらを
足元に残すのみとなってしまっていた。
入学式の日だからといって、
その日に合わせて満開にしてくれるものでもない。
こちらの都合なんか、御構い無しだ。
あの人と同じように。
もうだいぶ暖かくなった風に背中を押されながら、
新しい通学路を歩く。
哀歌は今年から高校生。
いわゆる、華のJKってやつ。
現実はそうとは限らないのだが......
しばらく行ったその先の桜の並木道を歩く。
桜はもうあらかた散ってしまったようだった。
(いつも、待ってくれないわよね。)
哀歌の住む地域では、毎年、3月の終わりには開花する。
2、3日前は満開であったようだ。
しかし今は、それを物語る花びらを
足元に残すのみとなってしまっていた。
入学式の日だからといって、
その日に合わせて満開にしてくれるものでもない。
こちらの都合なんか、御構い無しだ。
あの人と同じように。