一緒に…?

何が聞こえたのか、自分が聞こえないふりをしているかあまり理解できずにいたが、顔は正直で真っ赤になり熱くなっていた。


「冗談、早く電気消して寝よ。眠たい」


「私は眠れないですよ…」


緊張しながらそっとベッドの中へ入ると、先輩の匂いが一瞬で私を包み込む。


初めて会ったときと同じ匂いだ…


さっきまで緊張していた体がいつの間にか落ち着いていた。


「先輩?…あのときはすいませんでした。急に逃げたりして」


「あぁ…あのときいた女は、彼女とかじゃないから」


本人の口から聞けた " 彼女じゃない "
この一言が何よりも今、一番聞きたかった言葉だったのかもしれない。


「そうですか…そういえば!先輩、最近私のこと吹季って呼んでくれますよね」


「吹季って名前じゃん」


「そうでしたね!…ふふっ、なんか良い夢みれそうです」


「眠れないんじゃないの?」


私の返答はなく、シーンと静かな部屋に先輩の声だけが響く。


「え、マジで寝たの?男の部屋で普通に寝れるんだ…眠れないのは俺だけか」


私に先輩の声は届くことなく気がついたときにはお昼を迎えていた。