「あぁ…来ちゃった…」


先輩の家のドアを目の前に、来てしまったんだと実感しつつ言葉を失っていく。


「今更緊張すんの?前は堂々と入って来たくせに」


「あのときはあのときですよ…!まだ朝で明るかったし…」


「へぇ…一応夜は気にするんだ」


恥ずかしくなっていく私に対して、面白おかしく笑いながら部屋の中へ入っていく先輩。


「お邪魔します…」


中に入って荷物を置くとそのまま先輩がジャケットを脱ぎ始める。


何も言わず着替えるの…!?


慌てて振り返り、何もなかったかのようにそこら辺に置いている小物を見てるふりをする。


「俺寝るから。ベッド使って」


気がつくととっくに着替え終わり、クッションを枕代わりにして床で横になっていた。


「え、私が床で寝ますよ!先輩がベッド使ってください!」


「うるさい。早く寝なよ」


「いやっ、でも…」


「じゃあ一緒に寝る?」