帰り道の途中、24時間営業のスーパーに入っていく先輩の後をついて行く。
「起きたときに食べるもの買おう。食べたいのがあったらカゴに入れて」
常連なのか、目的の商品がある場所へ慣れた様子で進んでいく。
先輩の背中を追うようについて行ってると、さっきまで暗くて見えずらかった先輩の全身姿が店内の明かりではっきりと照らされる。
高身長に黒のスーツ。
高校生とは誰もが思わないであろう、見事に整った姿につい見惚れてしまう。
「やっぱりかっこいいなぁ…」
いつもの制服とは違ってまた新たな一面に、ついドキドキしてしまう自分がいた。
きっと人の多い時間帯に来ていたら、先輩の姿を見た人たちが店内で軽くパニックになったはず。
それほど今の先輩は色っぽくて大人の雰囲気でかっこいい。
それを証明するように、目がハートになっている数人のお客さんと女性従業員の間を気にすることなく進んで行く先輩。
「食べたいのは?好きなもの選んで」
「あっ、はい…!」
買ったものが入った大きな袋を片手にスーパーを後にした。