暑さと戦いながら真夏の日々が過ぎていく中、夏休みも残り三日と終盤を迎えた頃
「お疲れ様でした〜」
「はーい、お疲れ様〜…あっ、吹季ちゃん!これ余ったものだけど家族のみんなで食べてっ」
いつものようにバイトが終わり帰ろうとしたとき、響子さんから袋を渡される。
「こんなにいいんですか…!?」
袋の中を見るとパンやケーキなど私の好きなものばかりが入っていて、お腹が空いている今、疲れているのを忘れるほどテンションが上がっていく。
「吹季ちゃん毎日頑張ってくれたからもの。明日と明後日はゆっくり休んでね」
「ありがとうございます!じゃあ…いただきますっ」
袋を片手にお店を後にして、家に着き次第急いでケーキの入った箱を冷蔵庫へ入れているとママが近づいて来る。
「それってケーキ?どうしたの?」
「響子さんからもらったの。他のものはリビングのテーブルに置いとくね」
「あら、またこんなに…!お礼言わなくちゃ!吹季はご飯用意してるから食べなさい」