「ご飯は…少食な方だと思うんですけど食べてますよ!」


少しでも心配させないように、でも本当のことを言おう。

そう思ってやっと出てきた言葉。


「ならいいんだけど…実はね、生活費を毎月振り込んでいるんだけど全然使ってないようなの。だから気になっちゃって…」


「そうなんですか…」


響子さんの表情を見るとなぜか無駄に私まで不安になっていく。


響子さんが仕事に戻ったあともお客さんが出入りする度に入り口を確認して


「帰ってこないかな…」


先輩の帰りを待っている自分がいた。


少しだけでもいい。元気な顔が見れればいい。

もしかしたら今日は来るかも!なんて期待を持ちながら、親になった気分で待ち続けた。


何日も、何日も。



でもいくら待っても先輩は現れなかった。


そして長い夏休みはあっという間に一ヶ月が過ぎていった。