古くて歴史が長い城には、不思議な現象や霊現象なる物が発生する。
 
 もう、これは生活の一部として受け入れるのがほとんどだか――それは『悪戯』と言える範囲内限定だ。

「こんなに酷くなったのはつい最近のことよね。何時くらいからか覚えている?」
「二週間ほど前だったかと……」

 ――私の結婚が決まった頃?
 
 ソニアは思わずクリスを見上げる。
 
 クリスは伸びてきた髭を擦りながら
「『悪戯』を超越しているようですな。悪魔払いを呼んだ方がよろしいのでは?」
と進言した。
 
 城代や執事・侍女頭がソニアに視線を移す。

「……そうね、お呼びしてみましょう」
 
 そうソニアは決意した。