それからチャイムが鳴るまで、ありさの席で雑談をして。

私が自分の席に着いたのは、担任の先生が来るギリギリ。


教室に入って来た担任は、英語を受け持つ30代半ばの女性教員。

軽い挨拶と、今日のこれからの予定なんかを話すと、始業式のため体育館に移動するように言われた。


そして、始業式の終わった後。


「天崎さん、だっけ? ちょっといい?」


ありさと一緒に教室へと戻っている途中、3人の女子に声をかけられた。

どこかで見たことがある……と思ったら、篁くんの取り巻きをしていたクラスメート達。


「あ、うん……」


女子達の方へ、歩み寄ろうとするありさ。

私はその手を取って、引き止める。


「話ならここでもいいでしょ?」


嫌な予感がした。

私が女子達に言うと、案の定彼女らは少しバツの悪そうな表情を浮かべて。


「……天崎さんってさ、本当に蒼空くんの幼なじみってだけ?」


ほら、やっぱり。

私がいる手前だろう、遠慮がちに口にした内容は想像通りで、ため息が出そうになった。