白、黄色、赤。色鮮やかなチョークを使って黒板を埋めていく。
机に突っ伏して寝ている生徒が半分。ぼーっと外を眺めている生徒が数名……真面目にノートをとる、鳴海さん。今日は珍しく髪を結っていた。俺は教科書を見ながらまた黒板を埋めて、彼女もノートを埋めていく。当たり前だが、少しでも俺を見ていてくれたら嬉しい。
俺と彼女の距離は近いようで遠かった。