沈黙の中、次に口を開いたのは、なんと陸さんだった。 陸さんは厳しい人だと思っていた。 だから、遥希のスランプに対しても、否定的だと思っていた。 だが、 「俺も数年前にあった」 静かに遥希に告げる。 遥希は驚いて顔を上げた。 「お前みたいに、急に何も出来なくなった」 「でも……陸は足を引っ張らなかった」 遥希は不安そうに言う。 そんな遥希に、陸さんはなおも続けた。