やがて、曲は間奏に入る。

アップテンポの曲に乗せ、ハンドスプリングをする隆太さん。

いとも軽々やってのけ、拍手しそうになる。

続いて陸さんと遥希がバク転をしようとしたが……

身体を強張らせて止まってしまう遥希。

そんな遥希を二人は困った顔で見て、音楽を止めた。





しーん……





スタジオに沈黙が訪れる。





「ねぇ、遥希君?

君が嫌なのは分かるけど、いい加減真面目にやって?」




イライラしたように口を開いた隆太さんに、



「……出来ねぇんだ」



遥希は静かに告げた。




「急にすげぇ怖くなって……出来ねぇんだ」