真っ赤になりつつ、やっぱり陸さんが気になってしまう。
ちらりと陸さんを見るが、興味なさげに携帯を触っていた。
「まぁ、結婚はいいんだけどね」
隆太さんは相変わらずにこにこして言う。
「そろそろ本気でリハしてくれないと。
遥希君がいないと、やっぱり完成しないんだよね」
「……あぁ。やらねぇと」
遥希は複雑な表情で返事をする。
遥希は平静を装っているけど、本当は不安で壊れてしまいそうなのではないか。
だって、アクロバットが出来なかったら、コンサートなんて務まらない。
「じゃあ、アップしたら、早速一曲目やるよ?」
遥希は浮かない顔で、隆太の横に立った。