確か130円ぐらいだったよね。


「え…ない」

「ん?どうしたの?」

100円玉が一枚に10円玉が一枚。
なんでこんなに小銭がないの。

「…炭酸買おうかと思ったけどダメだった。110円しかなかった」

「少なっ!南美が貸してあげるよ」

「ううん、大丈夫。お茶飲むよ」

バスや電車のお金は定期だから小銭がないの気づかなかった。

ああ、今日は炭酸飲みたい気分だったのに。


「おい!お前、それ二本目だぞ」

「…あれ?ホントだ。やっべ。…ボーッとしてたわ。二本もいらないしなぁ」

急に振り返った男と目が合う。

そこには私が欲しかった炭酸が二本握られていた。

な、なに。

「いる?」



は?どういうこと。

「っていうかあげるよ。俺、二本も買っちゃって。……炭酸飲みたかったんでしょ?」