「南美の席どこ?」

「里衣の斜め後ろ!近い!ラッキー」

名前順だとだいたい南美とは席が近い。
教室に入ると何だか違和感を感じた。
やっぱり違う。
ソワソワする。
知らない顔ばかりで自分が今ここに立ってるのが不思議になるくらい。



「カバン置いたらさ、自販機行かない?」
南美の顔を見てやっと安心する。

「うん。そうしよう」





自動販売機の前はいつもより人が多くて行列までできていた。

「何飲む?」

「南美はねぇ、ココアかな」

「ココアいいね。私は炭酸飲もうかな」
ソーダか、コーラか、どっちにしようかな。