遅刻遅刻遅刻…。

今何分だろう?

携帯…携帯。

「あ!…」

「おっ……危なかったね」

私の携帯をガッシリ掴んでいる男は私を見て優しく微笑んだ。

私の携帯…。
落とすところだった。…

彼と目が合う。
どうしよう、カッコいい。
髪の毛もっと綺麗にセットしとけばよかった。
こんなボサボサ髪で会うなんて。

「ごめんなさい!私がよそ見してたせいで」

「ううん。俺も前見てなかったから」

こんな人、私の学年にいたかな?
視線を下に落とす。

…同じだよね、上履きの色。

「…1年生?」

「うん。君も?」

「うん!」
やった。同い年だ。
完全に胸が弾んでいた。
ドキドキしてる、バクバクしてる。

体は正直です。