無造作に置かれている大量の空き瓶を割らない様丁寧に木箱へ並べ入れてゆく。空き瓶入の木箱は二日と間を持たずその数を増やす。
「よし、たくさんあるけど頑張って裏に出しちゃおう!」
裏庭へ出す単純な作業だが、数があるので重い木箱を抱えて階段の昇り降りはスズランにとって体力との勝負だ。不揃いな石階段に足を取られぬ様気を使いながら、裏庭と倉庫を何度か往復し漸く最後の一箱まで漕ぎ着けた。
「これでさいご! 早く終わらせてお店戻ろうっと……っきゃ!!」
体力を消耗し力が入らなくなっていた所為か気持ちが先走り、木箱はあと少しの所で手から滑り派手な音を立てて地面に落下した。
「ああっ! またセィシェルに怒られちゃう……何本か割れちゃったかなあ?」
慌てて空き瓶の安否を確認しようと屈みこんで安直に瓶に触れた。その途端、瓶に鋭く入った鋭利な亀裂がスズランの指を容赦なく切り裂いた。
「っい た!」
すぐ様手を引っ込めるが指先からはじわりと鮮血が滲み出る。しかし痛みが広がるより先に頭上から盛大なため息が聞こえ、スズランははっと顔を上げた。
「……お前、何やってるんだ?」
「あ、あなたは……ライア!」
「よし、たくさんあるけど頑張って裏に出しちゃおう!」
裏庭へ出す単純な作業だが、数があるので重い木箱を抱えて階段の昇り降りはスズランにとって体力との勝負だ。不揃いな石階段に足を取られぬ様気を使いながら、裏庭と倉庫を何度か往復し漸く最後の一箱まで漕ぎ着けた。
「これでさいご! 早く終わらせてお店戻ろうっと……っきゃ!!」
体力を消耗し力が入らなくなっていた所為か気持ちが先走り、木箱はあと少しの所で手から滑り派手な音を立てて地面に落下した。
「ああっ! またセィシェルに怒られちゃう……何本か割れちゃったかなあ?」
慌てて空き瓶の安否を確認しようと屈みこんで安直に瓶に触れた。その途端、瓶に鋭く入った鋭利な亀裂がスズランの指を容赦なく切り裂いた。
「っい た!」
すぐ様手を引っ込めるが指先からはじわりと鮮血が滲み出る。しかし痛みが広がるより先に頭上から盛大なため息が聞こえ、スズランははっと顔を上げた。
「……お前、何やってるんだ?」
「あ、あなたは……ライア!」