「……とても、キュートだわ」
「!?」
次の瞬間。スズランの華奢な身体はエリィのしなやかな腕と柔らかで豊満な胸に挟まれていた。抱き締められたのだと理解するのに数秒かかった。
「ああ、貴女何だかとってもいい匂いがする……」
「?? っ…離してください!」
「どうして?」
エリィは何事も忘れたかの様に恍惚の表情を浮かべ、大きく息を吸い込むと腕の力を更に強めた。
「んん……く、くるし…」
いくらもがいても離してくれる気配はなく、抱き締める力は増す一方だ。流石に息苦しくなってくる。何故こんな事になっているのか酸欠気味で思考が追いつかない。
そこに助けの声が入った。
「───おいコラ!! スズから離れろ」
「セ、セィシェル……!!」
金に輝く蜂蜜色の髪を立ち靡かせ、慌ただしく店のカウンター奥から走り出て来た男。セィシェル。
店の制服を若干着崩してはいるが、このBAR・Fruto del amorのマスター。ユージーンの一人息子である。
セィシェルは物凄い剣幕顔で詰め寄り、エリィからスズランを引き剥がした。
「誰だよアンタ!! まだ開店前なのになんで入ってきてんだ?」
「!?」
次の瞬間。スズランの華奢な身体はエリィのしなやかな腕と柔らかで豊満な胸に挟まれていた。抱き締められたのだと理解するのに数秒かかった。
「ああ、貴女何だかとってもいい匂いがする……」
「?? っ…離してください!」
「どうして?」
エリィは何事も忘れたかの様に恍惚の表情を浮かべ、大きく息を吸い込むと腕の力を更に強めた。
「んん……く、くるし…」
いくらもがいても離してくれる気配はなく、抱き締める力は増す一方だ。流石に息苦しくなってくる。何故こんな事になっているのか酸欠気味で思考が追いつかない。
そこに助けの声が入った。
「───おいコラ!! スズから離れろ」
「セ、セィシェル……!!」
金に輝く蜂蜜色の髪を立ち靡かせ、慌ただしく店のカウンター奥から走り出て来た男。セィシェル。
店の制服を若干着崩してはいるが、このBAR・Fruto del amorのマスター。ユージーンの一人息子である。
セィシェルは物凄い剣幕顔で詰め寄り、エリィからスズランを引き剥がした。
「誰だよアンタ!! まだ開店前なのになんで入ってきてんだ?」