「っえ?!」
まだ店は開店前だ。出入口の扉にはCERRADOの札がかかっているはずだが。
「もうこんばんは、かしら?」
「あ、あのまだ開店前なのですが……」
「ああ、扉。鍵が開いていたから入ってきちゃった。……だってこの店から物凄くいい匂いがして待っていられなかったの! あのね。あたし何日も食べてなくて、今とーっても空腹でこのままだと倒れちゃうかもなのよ!」
その女性は一気に捲し立て、ふらりとよろめいた。
「っ大丈夫ですか?」
思わず駆け寄り身体を支える。女性の身体は見た目以上に細くて軽い。
「あら、貴女優しいのね! あたしエリィって言うの」
唐突にエリィと名乗った女性はにこりと微笑むと綺麗な指先でスズランの頬をサラリと撫で上げた。
「ぅひゃぁ!? ……あ、あの…?」
「ふふ、初心な反応。可愛いわ。貴女、名前はなんて言うの?」
見知らぬ人に触れられた上に、何故かドキッとしてしまいスズランは頬を抑えながら質問に答えた。
「えっと、わたしはスズランって言います……」
「スズラン……素敵な名前ね」
「ありがとうございます…!」
名を褒められたのでつい笑顔を返す。
まだ店は開店前だ。出入口の扉にはCERRADOの札がかかっているはずだが。
「もうこんばんは、かしら?」
「あ、あのまだ開店前なのですが……」
「ああ、扉。鍵が開いていたから入ってきちゃった。……だってこの店から物凄くいい匂いがして待っていられなかったの! あのね。あたし何日も食べてなくて、今とーっても空腹でこのままだと倒れちゃうかもなのよ!」
その女性は一気に捲し立て、ふらりとよろめいた。
「っ大丈夫ですか?」
思わず駆け寄り身体を支える。女性の身体は見た目以上に細くて軽い。
「あら、貴女優しいのね! あたしエリィって言うの」
唐突にエリィと名乗った女性はにこりと微笑むと綺麗な指先でスズランの頬をサラリと撫で上げた。
「ぅひゃぁ!? ……あ、あの…?」
「ふふ、初心な反応。可愛いわ。貴女、名前はなんて言うの?」
見知らぬ人に触れられた上に、何故かドキッとしてしまいスズランは頬を抑えながら質問に答えた。
「えっと、わたしはスズランって言います……」
「スズラン……素敵な名前ね」
「ありがとうございます…!」
名を褒められたのでつい笑顔を返す。