たっぷりと光を反射させた虹色の双眸がラインアーサを捕らえた。視線がしっかりと結び合えば互いに逸らすことは出来ない。
先程から情けない程緩みきった頬。そんなラインアーサへふわりと花が咲く様に微笑み返してくれるスズラン。
「……ライア」
愛らしい声で名を囁かれ、心臓がぎゅうっとなった。彼女に〝そう〟呼ばれると全身の細胞がどうしようもなく歓喜に満ち溢れる。
元よりラインアーサには〝アーサ〟と言った正式な愛称があるが、それとは別にこの〝ライア〟という愛称には特別思い入れがあった。十一年前、幼ないスズランがラインアーサの名を正しく言えず〝らいあ〟と言ったのが事の始まりなのだが当の本人は覚えていないらしい。
どうすればこの気持ちを伝えることが出来るのだろう。ラインアーサは目を細めた。
「おはようスズラン。夢の国は楽しかった?」
「んん……ごめんなさい。わたし、寝ていたみたい…」
まだ少し眠たそうな声で話すスズランの髪を優しく撫でる。
「ここの風はいつも心地よく吹いてるからな。それにこの木漏れ日、こんなに好条件なら誰でも微睡むのは仕方ないよ。……そう言えば母様も良くここでうたた寝してたっけ…」
先程から情けない程緩みきった頬。そんなラインアーサへふわりと花が咲く様に微笑み返してくれるスズラン。
「……ライア」
愛らしい声で名を囁かれ、心臓がぎゅうっとなった。彼女に〝そう〟呼ばれると全身の細胞がどうしようもなく歓喜に満ち溢れる。
元よりラインアーサには〝アーサ〟と言った正式な愛称があるが、それとは別にこの〝ライア〟という愛称には特別思い入れがあった。十一年前、幼ないスズランがラインアーサの名を正しく言えず〝らいあ〟と言ったのが事の始まりなのだが当の本人は覚えていないらしい。
どうすればこの気持ちを伝えることが出来るのだろう。ラインアーサは目を細めた。
「おはようスズラン。夢の国は楽しかった?」
「んん……ごめんなさい。わたし、寝ていたみたい…」
まだ少し眠たそうな声で話すスズランの髪を優しく撫でる。
「ここの風はいつも心地よく吹いてるからな。それにこの木漏れ日、こんなに好条件なら誰でも微睡むのは仕方ないよ。……そう言えば母様も良くここでうたた寝してたっけ…」