葉の隙間からきらきらと光を零しては煌めく木漏れ日。全身に吹く優しい風。中庭の大樹の下には暖かな陽気に微睡む愛しい物の姿。
多くの植物が細部まで手入れされているこの庭園が気に入ったのかスズランは普段から此処で過ごす事が多い。それを知ったラインアーサは自国には自生していない珍しい植物等をフリュイ公国から取り寄せ、もはや庭園宛ら植物園だ。こうして木漏れ日の下、彼女の愛らしいうたた寝姿を見られたのだからこの行動は正解だったと言える。
一人頷きながら、音を立てずそっと彼女に近づく。だが伏せられていた長い睫毛は敏感に震えた。
「ごめん起こした?」
「……ん…」
ふわふわと夢心地な様子に思わず頬が緩む。耳元に鼻先を近付け囁く。
「ここに居ると思ったんだ」
「……?」
スズランは小さな口で欠伸をしながら、滲む涙を手の甲で拭う。
「いいよ、そのままで。俺も一緒に一休みしたい。おいで」
ラインアーサはスズランの隣に腰を下ろし、華奢な肩を引き寄せた。
「あっ…!?」
あまりにも簡単に均衡を失うスズランの身体。慌てて小さな頭を自身の膝へと誘導する事に成功したが、内心肝が冷えた。これからはもっと気をつけなければ。
多くの植物が細部まで手入れされているこの庭園が気に入ったのかスズランは普段から此処で過ごす事が多い。それを知ったラインアーサは自国には自生していない珍しい植物等をフリュイ公国から取り寄せ、もはや庭園宛ら植物園だ。こうして木漏れ日の下、彼女の愛らしいうたた寝姿を見られたのだからこの行動は正解だったと言える。
一人頷きながら、音を立てずそっと彼女に近づく。だが伏せられていた長い睫毛は敏感に震えた。
「ごめん起こした?」
「……ん…」
ふわふわと夢心地な様子に思わず頬が緩む。耳元に鼻先を近付け囁く。
「ここに居ると思ったんだ」
「……?」
スズランは小さな口で欠伸をしながら、滲む涙を手の甲で拭う。
「いいよ、そのままで。俺も一緒に一休みしたい。おいで」
ラインアーサはスズランの隣に腰を下ろし、華奢な肩を引き寄せた。
「あっ…!?」
あまりにも簡単に均衡を失うスズランの身体。慌てて小さな頭を自身の膝へと誘導する事に成功したが、内心肝が冷えた。これからはもっと気をつけなければ。