───早起きした時の透き通った空気が好き。
まだ誰も起きていない静寂の中に、小鳥たちが囀る。心地よい風に吹かれて樹々がざわめく。
麗らかで柔らかい陽の光が好き。
蒼く澄んだ空に次々と洗濯物を干してく。
ひと仕事終えた時のご褒美はマスターの入れてくれた珈琲ミルク。
頑張った分だけ甘くて美味しい。
あの人の笑顔が好き。
お日様の光みたいにきらきら眩しいその笑顔を向けられたらきっと誰もが好きになってしまうだろう。
いつかわたしにも微笑んでほしいな。
あの瑠璃色の瞳で見つめられたら。
少し低くて耳に心地の良いあの声で囁かれたら……。
あなたの事をもっと知りたい。
もっと傍に行きたい。
なんでもいいの、何かあなたの役に立ちたい。
わたしにできる事。
わたしにしかできない事って何だろう・・・──