それとも何処かおかしいのかもしれないと不安が過ぎる。

「……やっぱり、、変?」

「まさか! いや。その服、本当に似合ってる……可愛いよ」

「あ、ありがとう。わたしが持ってる中でいちばん素敵なのってこの服なんだもの…」

 不安を打ち消す甘い言葉が耳に届き、はにかみながらも笑顔を浮かべるスズラン。ライアも微笑むと階段の下で両腕を広げた。

「おいでスズラン!」

「うん!」

 今すぐその腕の中に飛び込みたい。そう思って、気が逸った所為か階段の途中でローブの裾を思い切り踏んでしまい身体が宙に浮く。このままではライアに衝突してしまう。

「…っきゃあぁ…!」

 ある程度の衝撃は免れないと思ったがライアの胸に優しく受けてめられていた。

「おっと! 大丈夫か? 怪我は?」

「ぅう…っ平気! ありがとう…。ひらひらしてるのってやっぱり慣れなくって」
(す、すこしだけ鼻を打ったかも…!)

「ドジだな、スズランは。でもローブなんてそのうち慣れるよ。それに慣れるまで俺が隣に居るから大丈夫」

 ライアはそう言いながら綺麗に口角を上げたが、それがどんな意味なのか分からずに思わず瞳を覗き込む。

「? どういう意味?」