「……コルトさん、サリベルさん。お世話になりました。ほんとうにありがとうございます! あの…、リーナさんにもそうお伝えください」
「スズラン様…! 御心遣い、感謝致します」
「ではいざ、広間へ…!」
深々と頭を下げたままのサリベルに見送られ、晩餐会の会場広間へと急く。怖くないかと問われれば、勿論怖くて不安な気持ちは拭えない。自分では役不足かもしれない。それでもスズランは顔を上げて前に進んだ。
今までライアには助けられてばかりだった。だから今度は自分の番だ。ライアが窮地に立たされるのならば、今度こそ助けに行く。
ライアの助けになりたい。
この気持ちだけは誰にも負けない。絶対に負けたくない。助けたいと思う気持も、焦がれるこの想いも───。
そのひたむきな気持ちだけで今ここに立っているのだ。スズランは広間の大きな扉の前で一際大きく深呼吸をする。
「大丈夫ですよスズラン様。今の素敵な貴女に適う者などおりませんから。しっかりと私の後を付いてきてくださいね! ああ。それと私から一つ助言を」
にこりと口角を持ち上げるコルト。
「…?」
「自己紹介の時に出身国も添えて名乗ってくださいね」
「出身国…?」
「小フリュイ公国。貴女の出身国です」
「スズラン様…! 御心遣い、感謝致します」
「ではいざ、広間へ…!」
深々と頭を下げたままのサリベルに見送られ、晩餐会の会場広間へと急く。怖くないかと問われれば、勿論怖くて不安な気持ちは拭えない。自分では役不足かもしれない。それでもスズランは顔を上げて前に進んだ。
今までライアには助けられてばかりだった。だから今度は自分の番だ。ライアが窮地に立たされるのならば、今度こそ助けに行く。
ライアの助けになりたい。
この気持ちだけは誰にも負けない。絶対に負けたくない。助けたいと思う気持も、焦がれるこの想いも───。
そのひたむきな気持ちだけで今ここに立っているのだ。スズランは広間の大きな扉の前で一際大きく深呼吸をする。
「大丈夫ですよスズラン様。今の素敵な貴女に適う者などおりませんから。しっかりと私の後を付いてきてくださいね! ああ。それと私から一つ助言を」
にこりと口角を持ち上げるコルト。
「…?」
「自己紹介の時に出身国も添えて名乗ってくださいね」
「出身国…?」
「小フリュイ公国。貴女の出身国です」