何故ならば〝あの夢〟に出てくるのだ───。
「ライアが考えたの? ……でもわたしずっと前から知ってる…」
「知ってるって……覚えてるのか?」
知ってると口にした途端、大きく目を見開くライア。性急に両手を握られたが、スズランの視線はその手首に注がれた。
「覚えてるって、なにを…? えっ…! まってライア! 手首が、、 ひどい傷……もしかして他にもどこか怪我してるの?」
赤く痛々しい擦り傷の様な痕がライアの両手首を一周している。やはり怪我をしていたのだと思うと一気に血の気が引いた。
「なんだ…。こんなの大した事ないよ。自分で治せるから。そんな事よりもそのおまじないの話…」
「だめだよ! すぐに手当を……あ、ここも赤くなってる…」
何かを言いかけていたが、よくよく見るとライアの身体は傷だらけだった。怪我をしているのなら早く手当をしなければ。今の自分にはこの位しか出来ない。おろおろと視線を戻すとライアの唇の端が赤く、見るほどに血が滲みとても痛ましい。
思わず唇の端に触れると、ライアはびくりと一瞬身をこわばらせた。余程痛むのだろう。
「っ…大丈夫だって。口の中を少し切っただけだから…」
「ライアが考えたの? ……でもわたしずっと前から知ってる…」
「知ってるって……覚えてるのか?」
知ってると口にした途端、大きく目を見開くライア。性急に両手を握られたが、スズランの視線はその手首に注がれた。
「覚えてるって、なにを…? えっ…! まってライア! 手首が、、 ひどい傷……もしかして他にもどこか怪我してるの?」
赤く痛々しい擦り傷の様な痕がライアの両手首を一周している。やはり怪我をしていたのだと思うと一気に血の気が引いた。
「なんだ…。こんなの大した事ないよ。自分で治せるから。そんな事よりもそのおまじないの話…」
「だめだよ! すぐに手当を……あ、ここも赤くなってる…」
何かを言いかけていたが、よくよく見るとライアの身体は傷だらけだった。怪我をしているのなら早く手当をしなければ。今の自分にはこの位しか出来ない。おろおろと視線を戻すとライアの唇の端が赤く、見るほどに血が滲みとても痛ましい。
思わず唇の端に触れると、ライアはびくりと一瞬身をこわばらせた。余程痛むのだろう。
「っ…大丈夫だって。口の中を少し切っただけだから…」