「っ…スズラン!!」
震えた空気がスズランの元へと声を届ける。聞き間違える筈がない。今しがたその声でしっかりと名を呼ばれたのだ。それでもまさかと思い、緩々と顔を上げる。するとこちらへ真っ直ぐ注がれた視線とぶつかった。
窓から差し込む強い逆光の中に、言葉を失った様な表情のライアが立っている。
「……ライア…?」
(うそ……ほ、ほんとうに?)
本人を目の前にしても、幻ではないかと疑った。
二人の視線が絡み合い、大きく揺れる。互いに何か言葉を発しようと試みるが中々その一言が出てこない。一刻も早く思いの丈を伝えなければと、気持ちだけが先走る。先に沈黙を壊したのはライアだ。
「……スズラン…っその、俺……」
「……っ…ライアの馬鹿…!!」
しかし被せる様にスズランも叫んでいた。その勢いに任せベッドから立ち上がる。
「っ! …え?」
「あっ…!」
長い間ベッドの上に黙座していたせいか、脚の感覚が無くなっていた。それ故踏ん張りが効かずにそのまま前のめりに倒れ込む。このままでは床との衝突は免れないと衝撃に備え、瞳を強く瞑る。が、「危ないっ!!」とライアが叫んだ次の瞬間にはもうその腕の中に抱き止められていた。
震えた空気がスズランの元へと声を届ける。聞き間違える筈がない。今しがたその声でしっかりと名を呼ばれたのだ。それでもまさかと思い、緩々と顔を上げる。するとこちらへ真っ直ぐ注がれた視線とぶつかった。
窓から差し込む強い逆光の中に、言葉を失った様な表情のライアが立っている。
「……ライア…?」
(うそ……ほ、ほんとうに?)
本人を目の前にしても、幻ではないかと疑った。
二人の視線が絡み合い、大きく揺れる。互いに何か言葉を発しようと試みるが中々その一言が出てこない。一刻も早く思いの丈を伝えなければと、気持ちだけが先走る。先に沈黙を壊したのはライアだ。
「……スズラン…っその、俺……」
「……っ…ライアの馬鹿…!!」
しかし被せる様にスズランも叫んでいた。その勢いに任せベッドから立ち上がる。
「っ! …え?」
「あっ…!」
長い間ベッドの上に黙座していたせいか、脚の感覚が無くなっていた。それ故踏ん張りが効かずにそのまま前のめりに倒れ込む。このままでは床との衝突は免れないと衝撃に備え、瞳を強く瞑る。が、「危ないっ!!」とライアが叫んだ次の瞬間にはもうその腕の中に抱き止められていた。