スズランの頭上に陣を描き守りの術をかけるアスセナス。だが背に受けた傷が思っていたよりも深く腹部まで血が滲んできていた。
「パ、パパ! ちがいっぱい…! むりしちゃだめ……」
「……スズは本当に泣き虫だなぁ。ああ、僕に似たのか。ふふ。……さあ、いい子だから…、今からパパの言う事を、よく聞いて…」
「うんっ」
「いいか? 明るくなったら、すぐにこの国の王宮まで行くんだ。そして難民として保護して貰いなさい…」
「ひとりで? パパは?」
「……パパは、、ものすごく、眠たいんだ…。だから朝になってもちゃんと起きられるかわからない。そうしたらスズは一人でも王宮まで行くんだ。必ずだよ、出来るかな?」
眠たい。そう言ったアスセナスの顔は古ぼけた街灯の光に照らされても青白く、今眠ってしまえばこのまま目を覚まさないのではないかと思うほどに血の気がない。スズランは必死に声を張り上げた。
「いや! ねむっちゃだめ! スゥ、パパがいっしょじゃないとどこにもいかないもん!!」
「……大丈夫。術が守ってくれる。パパも起きたら……ちゃんと後を、追うから…。スズは…先に……」
アスセナスの声が次第に弱くなり、ついには瞼がとじられた。
「パ、パパ! ちがいっぱい…! むりしちゃだめ……」
「……スズは本当に泣き虫だなぁ。ああ、僕に似たのか。ふふ。……さあ、いい子だから…、今からパパの言う事を、よく聞いて…」
「うんっ」
「いいか? 明るくなったら、すぐにこの国の王宮まで行くんだ。そして難民として保護して貰いなさい…」
「ひとりで? パパは?」
「……パパは、、ものすごく、眠たいんだ…。だから朝になってもちゃんと起きられるかわからない。そうしたらスズは一人でも王宮まで行くんだ。必ずだよ、出来るかな?」
眠たい。そう言ったアスセナスの顔は古ぼけた街灯の光に照らされても青白く、今眠ってしまえばこのまま目を覚まさないのではないかと思うほどに血の気がない。スズランは必死に声を張り上げた。
「いや! ねむっちゃだめ! スゥ、パパがいっしょじゃないとどこにもいかないもん!!」
「……大丈夫。術が守ってくれる。パパも起きたら……ちゃんと後を、追うから…。スズは…先に……」
アスセナスの声が次第に弱くなり、ついには瞼がとじられた。