叫ぶと同時に目の奥に刺さる様な閃光が迸る。直後、鼓膜を劈く様な凄まじい雷鳴が鳴り渡り、スズランは恐怖に身を縮めて蹲った。
しかし周りの様子に恐る恐る瞼を持ち上げると、辺り一面炎に覆われており更なる恐怖に目を見開いた。
「!?」
一体何が起こったのか、幼いスズランには理解できなかった───。
「ひっ…ぎゃあああ!!?」
乾いた空気が爆ぜる音に瞳を凝らすと炎の中心で男が黒いローブをはためかせながら悲鳴をあげている。
「…っ」
スズランはどうしていいか分からずに地面に座り込み震えながらその光景を直視する事しか出来なかった。草木を巻き込みながら、より燃え盛る炎。
男の悲鳴はその業火の激しい熱風で掻き消され、徐々に聞こえなくなった。
「───っ!! だ、大丈夫かスズ! 今のうちに、行こう…!」
炎の被害を免れた木の影から満身創痍のアスセナスが足を引き摺りながら姿を見せた。
アスセナスの腕に抱きしめられ、安堵と共に恐怖の涙が溢れ出た。
「パパっ!! こわかった…っ」
「ああ、スズ……無事でよかった。っく…」
アスセナスの負った怪我は思いのほか深く、未だ全身から服の上まで血が滲みでている。
しかし周りの様子に恐る恐る瞼を持ち上げると、辺り一面炎に覆われており更なる恐怖に目を見開いた。
「!?」
一体何が起こったのか、幼いスズランには理解できなかった───。
「ひっ…ぎゃあああ!!?」
乾いた空気が爆ぜる音に瞳を凝らすと炎の中心で男が黒いローブをはためかせながら悲鳴をあげている。
「…っ」
スズランはどうしていいか分からずに地面に座り込み震えながらその光景を直視する事しか出来なかった。草木を巻き込みながら、より燃え盛る炎。
男の悲鳴はその業火の激しい熱風で掻き消され、徐々に聞こえなくなった。
「───っ!! だ、大丈夫かスズ! 今のうちに、行こう…!」
炎の被害を免れた木の影から満身創痍のアスセナスが足を引き摺りながら姿を見せた。
アスセナスの腕に抱きしめられ、安堵と共に恐怖の涙が溢れ出た。
「パパっ!! こわかった…っ」
「ああ、スズ……無事でよかった。っく…」
アスセナスの負った怪我は思いのほか深く、未だ全身から服の上まで血が滲みでている。