スズランは恐ろしくなって泣きそうになりながら父親であるアスセナスの胸元にしがみつく。
「だろう? だからパパとスズはそいつらに見つからない様にこうして隠れてるんだ」
二人は暗い森の中、暖も取らずに身を潜めていた。
「そうなんだ! あのね、スゥこのあいだからずっと雷さまにおいのりしてるの。ほんとうはとってもこわいからおいのりはきらいなの。でもママがわるいやつらにまけないようにって頑張っておいのりしてるの!」
「そうか、スズは強い子だな! じゃあパパも一緒にお祈りするよ…。パパはリリィとスズ、二人が居ないと駄目なんだ」
アスセナスはスズランを抱きしめて髪を撫でながら繊細な瞳を細める。
「うん! ママがはやくかえってきますように!!」
そうやって真剣に、何度も祈った。
しかしその祈りによって気配がより鮮明になり、何処へ逃げても追手に勘づかれてしまう。それに気付いた時にはもう遅かった。
「───見つけましたよ。さあ、早くその娘を此方に渡しなさい」
突如、闇夜の中からフードを目深に被る黒いローブを纏った男が父子の前に姿を現す。
「!? 何故お前が…っ? い、嫌だ!! 娘は渡さない…!」
「だろう? だからパパとスズはそいつらに見つからない様にこうして隠れてるんだ」
二人は暗い森の中、暖も取らずに身を潜めていた。
「そうなんだ! あのね、スゥこのあいだからずっと雷さまにおいのりしてるの。ほんとうはとってもこわいからおいのりはきらいなの。でもママがわるいやつらにまけないようにって頑張っておいのりしてるの!」
「そうか、スズは強い子だな! じゃあパパも一緒にお祈りするよ…。パパはリリィとスズ、二人が居ないと駄目なんだ」
アスセナスはスズランを抱きしめて髪を撫でながら繊細な瞳を細める。
「うん! ママがはやくかえってきますように!!」
そうやって真剣に、何度も祈った。
しかしその祈りによって気配がより鮮明になり、何処へ逃げても追手に勘づかれてしまう。それに気付いた時にはもう遅かった。
「───見つけましたよ。さあ、早くその娘を此方に渡しなさい」
突如、闇夜の中からフードを目深に被る黒いローブを纏った男が父子の前に姿を現す。
「!? 何故お前が…っ? い、嫌だ!! 娘は渡さない…!」