沈黙に耐えきれずスズランはライアに声をかけた。
「……ライア…?」
名を呼ぶとライアは少し身体を離して苦しげに眉を寄せた。
(どうしてそんな顔をするの? わたし、ライアを困らせてる?)
「……スズラン。俺は…」
ライアが口を開きかけたその時、酒場の裏口の扉が開く音が響いた。酷く慌てた様子のセィシェルとユージーンの姿にスズランは目を見張った。
「スズッ!? そこに居るのはスズか?」
セィシェルの声が近づいてくる。
罪悪感からか、その場から一歩も動けなかった。それでもスズランは二人に向かって謝罪の言葉を叫んだ。
「マスター! ……セィシェル…! ごめんなさい! わたし、一人で勝手に居なくなったりして…」
しかし、スズランの言葉などまるで聞こえていないかの様な勢いで駆け寄ってきたセィシェルはそのままライアの胸ぐらを乱暴に掴みあげる。
「おいっ!! なんであんたが一緒にいる!? あんたやっぱり人攫いなんじゃあないだろうな!!」
「やめなさい! セィシェル…!! そのお方は…」
ただではおかないと息巻くセィシェルの後方でユージーンが叫ぶ。だが、セィシェルの腕の力は弱まるどころかますます強くライアの襟元を締め上げていく。
しかしライアの瞳は冷静にセィシェルを見据えていた───。
「……ライア…?」
名を呼ぶとライアは少し身体を離して苦しげに眉を寄せた。
(どうしてそんな顔をするの? わたし、ライアを困らせてる?)
「……スズラン。俺は…」
ライアが口を開きかけたその時、酒場の裏口の扉が開く音が響いた。酷く慌てた様子のセィシェルとユージーンの姿にスズランは目を見張った。
「スズッ!? そこに居るのはスズか?」
セィシェルの声が近づいてくる。
罪悪感からか、その場から一歩も動けなかった。それでもスズランは二人に向かって謝罪の言葉を叫んだ。
「マスター! ……セィシェル…! ごめんなさい! わたし、一人で勝手に居なくなったりして…」
しかし、スズランの言葉などまるで聞こえていないかの様な勢いで駆け寄ってきたセィシェルはそのままライアの胸ぐらを乱暴に掴みあげる。
「おいっ!! なんであんたが一緒にいる!? あんたやっぱり人攫いなんじゃあないだろうな!!」
「やめなさい! セィシェル…!! そのお方は…」
ただではおかないと息巻くセィシェルの後方でユージーンが叫ぶ。だが、セィシェルの腕の力は弱まるどころかますます強くライアの襟元を締め上げていく。
しかしライアの瞳は冷静にセィシェルを見据えていた───。