その微笑みが自分に向けられている事が嬉しい。ライアの表情一つ一つに心が浮き立つ。
 今まで何度も気持ちを押し込めて、果には諦めるつもりでいた。だがもう遅い。
 先程の求め合う様な口づけを知ってしまった。気持ちがあとから溢れ出て、もう止められない。同時に、どうしてもライアの気持ちが知りたい。スズランは部屋を出ようと扉へ向かうライアの服の端に手を伸ばした。

「わ…っ!?」

 服を引っ張られたライアが声を上げて驚きながら振り向く。

「あの…っライアはどうしてわたしの事、こんなに助けてくれるの? それと、その……なんでいつも…。キ、キスするの?」

 恥ずかしくて耳までもが赤く染まり顔から火が出そうだ。最早隠しきれない想い。スズランは気持ちを確認する様にライアの顔を覗き込む。するとライアも同様に赤面した。

「っ!! そんなの、っ自分で考えろよ」

「そんな、自分でって…!」
(だって知りたいの、ライアもわたしと同じなのか…)

「……なんでか解らない? さっきもあんなキスしたのに解らないのか…ってか前に教えなかったか?」

「教えてもらってなんかないもん! ちゃんと言葉で教えて欲しいよ。でないとわからないよ」