まさか、互いに同じ想いを抱いているとでも言うのだろうか……。ほんの僅かな希望を導き出し、同様の質問を返した。

「ライアこそ。わたしのこと、嫌いじゃないの?」

 もうどんな答えが返ってきても受け入れよう。スズランは眉を下げて不安気に、だがしっかりとライアの瞳を見つめた。気を抜いたらきっと涙が出てしまう。
 ライアは苦しそうに瞳を細めるとゆっくり口を開く。そしてまるで言葉を一つ一つスズランに吹き込む様に荒々しく口づけの雨を降らせた。

「嫌い、だったら…っ」

「んっ…!」

「こんな事、、しない」

「…っむぅ、、っン…っっ!」

 一度目の口づけよりも熱く、二度目の口づけよりも激しく……。

(まって…、それって……)

 ライアは何度もスズランの唇を吸い、丁寧になぞった。さっきまで飲んでいたお茶の所為か、甘い味が互いの口内を共有する。質問の答えの意味を考えたいのに少しもまとまらない。ただ、ライアの舌に翻弄されて感情だけが高揚してゆく。
 スズランは恐る恐る舌を差し出してライアのそれに絡めた。
 
「…っ!?」

 一瞬戸惑いを見せたライアだがまたすぐに舌を絡ませ更に身体を密着させた。