「あのさ…。さっきからそれ、どういう意味?」

 ライアの様子から本当に怒っている訳では無いと分かり安堵する。
 スズランは先程の温もりを求めて両手でライアの手を握った。もう一度その温かさに触れると安心して緊張の糸が緩んだ。じんわりと全身が温まり、急激な眠気に襲われる。

「……ライアの手、とってもあったかくて……なんだか、、ほっと、する…の……」

「っ…スズラン…?」

 ライアの呼ぶ声が遠くに聞こえた。

 ───────

 ────


「スズラン! 平気か!? ほらほら、そんなに泣かないで…。おいで? もう大丈夫だよ」

(誰だろう、懐かしい声……わたしどうして泣いてたんだっけ…?)

「うぇぇんパパぁ…っ!」

(あ、転んで怪我をしたんだ)

「どれ、パパがいつものおまじないをしてあげるよ」

(おまじない……パパが、いつもしてくれたすぐに治るおまじないだ)

「うん…」

「……ほら、もう痛くないだろ?」

「パパ、すごいっ! だいすき〜!」

「ははっ、スズは本当に笑顔が可愛いなぁ。よし、一緒にママをお迎えに行こうか…」

「うん!」

(ああ、夢でもいい。もう一度パパとママに会わせて……)



 ───

 ────・・・