「ぁ…っ」

 驚いて思わず声が漏れた。

「……スズランが、悪い…っ…。俺は、これでも我慢してたのに…」

「ライア…っ!?」

 折り重なる様に身体を密着させ、背中から抱きしめられる。しかしその手は優しくスズランのやわらかい胸を包み込んでいた。外衣(ガウン)越しとはいえ敏感な所を触れられて、びくりと身体が反応した。

「…嫌?」

「やっ…! やだ……っ、…」

 ますます体温が上昇し、呼吸が浅くなっていく。ライアはスズランの髪に顔を埋めて大きく息を吸い込むと、首筋や耳たぶへと唇を寄せた。

「〜っ!」

「スズラン…」

 耳元で切なそうに名前を囁かれると身体がまたも反応する。抵抗しようにも力が入らない。

「ん…っらい、あ……っだめ…!」
(っ…ライア、急にどうしたちゃったの? わたし、どうしたらいいの…?)

「…っはぁ…」

 ライアの吐息が耳にかかる。
 擽ったくてどうしたらいいのかわからないが不快感はなく、むしろその声に囁かれたい。もっと囁いて欲しい。脳が甘く痺れてそんな風に感じ始めた矢先、背中に何か違和感をとらえて大きく声をあげた。

「ぅひゃあぁ! 何っ!?」

「……どうした?」