酒場のすぐ裏手には王宮へと繋がる広大な森が広がっている事をスズランは知っていた。
何故ならば森を抜けた先に、お気に入りの〝秘密の場所〟があるのだ。
スズランは倉庫の階段を上り、裏口から裏庭へ出ると空を仰ぎ見た。とてもよく晴れ、青く澄んだ秋空が広がっている。少し目線を下げると森の奥には、非常に美しい白亜質の城壁と王宮が堂々と聳え立っている。
「今日は忙しくなるから無理かなぁ」
ぽつりと呟く。
もはや一日一回〝秘密の場所〟へ足を運ぶのがスズランの日課と言っても過言では無い。しかし、かの森は侵入禁止区域であり一般の民が容易く立ち入って良い場所では無い。無論それを承知の上で毎日足を運んでいた。
────清らかな小川、色取り取りの花が無数に拡がる河岸の花畑。小川に架かる小さな石橋には野鳥達が羽を休めにやって来ては、時折美しい声で囀る。優しい風が通り抜けるその場所は誰もが癒されるであろう。
何故日課になったのかは分からない。敢えて理由を上げるならばやはり癒しを求め〝秘密の場所〟へと足を運んでいるのだろう。
何より一番の理由はスズランが幼い頃から繰り返し見る〝夢〟に出てくる場所と酷似しているからだった。
何故ならば森を抜けた先に、お気に入りの〝秘密の場所〟があるのだ。
スズランは倉庫の階段を上り、裏口から裏庭へ出ると空を仰ぎ見た。とてもよく晴れ、青く澄んだ秋空が広がっている。少し目線を下げると森の奥には、非常に美しい白亜質の城壁と王宮が堂々と聳え立っている。
「今日は忙しくなるから無理かなぁ」
ぽつりと呟く。
もはや一日一回〝秘密の場所〟へ足を運ぶのがスズランの日課と言っても過言では無い。しかし、かの森は侵入禁止区域であり一般の民が容易く立ち入って良い場所では無い。無論それを承知の上で毎日足を運んでいた。
────清らかな小川、色取り取りの花が無数に拡がる河岸の花畑。小川に架かる小さな石橋には野鳥達が羽を休めにやって来ては、時折美しい声で囀る。優しい風が通り抜けるその場所は誰もが癒されるであろう。
何故日課になったのかは分からない。敢えて理由を上げるならばやはり癒しを求め〝秘密の場所〟へと足を運んでいるのだろう。
何より一番の理由はスズランが幼い頃から繰り返し見る〝夢〟に出てくる場所と酷似しているからだった。