「何言ってるんだよ! 未成年者には外出禁止令が出てるって言っただろ? そうじゃあなくてもこんな遅い時間に女性を一人で帰すわけ無いし…。そもそもスズランはどうやってここまで来たんだよ? あの酒場(バル)の場所だって、なんでお前が知って…」

「…っ」

 やはり怒っているのだろう、咎める様なライアの口調に身体が竦んだ。

「っ…ごめん。突然大きな声を出して…」

「あの、さっきのお店の場所は……ハリさんって方がうちのお店に来て教えてくれました」

「ハリが!?」

「ライアは…。旧市街の酒場(バル)に通うから、もううちのお店には来ない…って言われて…。でもわたし、どうしてもライアに謝りたくて。それで無理を言って場所を教えてもらったの」

 此処まで辿り着けた経緯を正直に話した。

「そう、なのか」

 そんなスズランの行動に引いたであろう、困惑した様な表情のライア。もう本当に申し訳なさでいっぱいになる。

「でもよかった…。ちゃんとライアに会えてこの間の事を謝れたし、ハリさんって方にお礼をしなきゃ……じゃあわたしは帰るね!」

「だから何言って…」

「突然来てごめんなさい。ライアはすぐに戻らないと恋人さんに誤解されちゃうよね…」