しかしライアはそんなセィシェルを後目にし、とうとう踵を返した。せっかく会えたのにこのままでは……。スズランは何とか声を絞り出した。
「待って! ……ライア」
その声に振り向かず、歩みのみを止めたライア。無言の背中に視線を送る。
「わたし、あの…っ」
たった一言〝ありがとう〟と伝えたいのに、それ以上の言葉がなかなか出て来ない。それどころか目眩が強くなった。足元からは力が抜け、その場にへたり込んでしまう。上手く息が出来ず苦しさに頭がぼんやりとしてくる。
「おい、また熱上がってんじゃあねーか! もうこんな奴いいから上で休めよ…」
「うん、でも……わたし。ライアにちゃんと言わなきゃならない事が……あっ?」
ライアはそのまま去ってしまうかと思いきや、性急にこちらへ駆け寄って屈み込むとスズランの額に掌を翳した。
「おい! 何すんだよあんた!!」
ライアに頬を触れられた瞬間、全身が暖かく心地の良い風に包まれてゆく。
「っん…!」
ぞくりとする甘い快感に小さく息を漏らす。
「ちょ、あんた。まじで何してんだよ! 早くスズから離れろって!」
このまるでとけてしまいそうな快楽は前にも一度味わった事があった。
「待って! ……ライア」
その声に振り向かず、歩みのみを止めたライア。無言の背中に視線を送る。
「わたし、あの…っ」
たった一言〝ありがとう〟と伝えたいのに、それ以上の言葉がなかなか出て来ない。それどころか目眩が強くなった。足元からは力が抜け、その場にへたり込んでしまう。上手く息が出来ず苦しさに頭がぼんやりとしてくる。
「おい、また熱上がってんじゃあねーか! もうこんな奴いいから上で休めよ…」
「うん、でも……わたし。ライアにちゃんと言わなきゃならない事が……あっ?」
ライアはそのまま去ってしまうかと思いきや、性急にこちらへ駆け寄って屈み込むとスズランの額に掌を翳した。
「おい! 何すんだよあんた!!」
ライアに頬を触れられた瞬間、全身が暖かく心地の良い風に包まれてゆく。
「っん…!」
ぞくりとする甘い快感に小さく息を漏らす。
「ちょ、あんた。まじで何してんだよ! 早くスズから離れろって!」
このまるでとけてしまいそうな快楽は前にも一度味わった事があった。